オリーブオイルはご存じですよね。
その名の通り、オリーブの実を
搾って作られる油の事です。
サラダに掛けたり、料理に入れたりと
多種多様な使い方があります。
オメガ9が含まれているので、
非常に健康に良い油でもありますね。
ただしそれは、質の良い物に限られます。
日本で売られているオリーブオイルは
9割が「真っ赤な偽物」だからです。
実は、本物のオリーブオイルを味わった
事のある人は、あまりいないんですよね。
目次
オリーブオイルの品質の決め方
まずは、基本的な所から
お伝えしましょう。
オリーブオイルは
- 酸度
- 風味官能試験
の2つによって、
グレードが決められます。
それぞれ簡単に説明します。
酸度とは
オリーブオイルの原料である
「オリーブの実」は
- 脂肪酸
- グリセリン
が結合して出来ています。
でも、オリーブの実は摘み取られると、
この結合が、徐々に無くなって
いってしまうんですよね。
すると「遊離脂肪酸」と
いう物が生まれます。
つまり、グリセリンとの結合が
無くなった脂肪酸の事です。
この遊離脂肪酸が、オリーブオイルの
酸化の原因なんですよね。
多ければ多い程、酸化しやすくなります。
酸度というのは
- オリーブオイルに含まれる
遊離脂肪酸の割合
の事なのです。
ちなみに一度、オリーブオイルに
なってしまえば、遊離脂肪酸が
増える事は無くなります。
つまり、酸度が低ければ低い程、
良質なオリーブオイルで
あるという事ですね。
※あくまで、目安ですが。
風味官能試験とは
文字通り、人間の味覚や
嗅覚を使って行われる試験です。
オリーブオイルというのは
- 生産環境
- 果実の熟度
- オリーブの品種
などによって、味や香りが
全く異なるんですよね。
これらは、機械では判別出来ません。
だから、人間の五感が必要なのです。
食品で「風味官能試験」を
行うのは、オリーブオイル
だけなんですよね。
バージン・オリーブオイルの種類

- バージン・オリーブオイル
- 精製オリーブオイル
- オリーブポーマスオイル
とある中で、最も品質が高いのが
「バージン・オリーブオイル」です。
バージン・オリーブオイルとは、オリーブ樹(Olea europaea L.)の果実から機械的または物理的手段のみにより、オイルを変質させない条件下(特に温度条件)で得られたオイルであり、洗浄、デカンテーション、遠心分離、濾過以外の処理を得ていない物を指す。
つまり、特に加工されていない
オリーブ100%だという事です。
風味が損なわれていないんですよね。

バージン・オリーブオイルは
そこから、さらに4種類に分けられます。
- エキストラバージン
オリーブオイル(EXV) - バージン
オリーブオイル - オーディナリーバージン
オリーブオイル - ランパンテバージン
オリーブオイル
EXVオイル……なんだか、
聞き覚えがありますよね。
EXVオイルとは
- 酸度が0.8%以下で、風味・香りが
素晴らしいものである事
という基準を満たしている、
最も高品質なオリーブオイルです。

つまり、あなたがいつも購入している
のは、最高級のオイルなのです。
……と言うと、聞こえは良いのですが、
実際は、少し違うんですよね。
冒頭でもお伝えした通り、
オリーブオイルの9割は偽物だからです。
偽物のEXVオイル

スーパーで売られている物は、
全て偽物であると考えても、
恐らく問題ありません。
日本のEXVオイルの基準が低い

スーパーに行くと数百円~数千円の
EXVオイルが並んでいると思います。
でも、それは不自然なんですよね。
EXVオイルは、本来高級品だからです。
では、なぜ安く売られているのか?
それは、日本のEXVオイルがJAS基準に
よって、区分けされているからです。
オリーブオイルには
- 国際オリーブオイルカウンシル(IOC)
- JAS(日本農林規格)
の、2種類の基準があります。
この2つの基準の
大きな違いは「酸度」です。
- IOC→酸度0.1以上、0.8%以下
- JAS→酸度2.0%以下
JASの基準は緩いんですよね。
なので、日本では「酸度2.0%以下」の
劣悪なオリーブオイルが出回っています。
実は酸度というのは、余程の事が
無い限り「0.5%」を
超える事はありません。
だから、低品質のオイルが、
たくさん作られた訳です。
本物のオリーブオイルの選び方

①遮光性のボトルに入っている

オリーブオイルというのは、
光に触れると酸化する性質があります。
(油全体に言える事ではありますが)
劣化を防ぐため、濃い遮光のボトルに
入っている物を選んで下さい。
透明なガラスなどは駄目です。
②収穫後、すぐに作られている

先程もお伝えした通り、生のオリーブ
果実は、とても繊細で傷みやすいです。
その為、12時間以内に絞らないと、
腐ったりカビが生えたりするんですよね。
しかも、1つでも腐り始めたら、
あっという間に全体に広がります。
「腐ったみかん」と同じですね。
収穫後、12時間以内に
作られている物を選んでください。

油は、臭いや味を
簡単に吸着してしまいます。
オリーブオイルの臭いや味が
嫌いだという人は、これが原因です。
市場に出回っている物は、12時間以内に
絞っていない物がほとんどなのです。

③コールドプレスで搾られている

オリーブオイルは熱にも弱いです。
香りや鮮度が落ちる他
- 栄養素の破壊
- 有害なトランス脂肪酸の発生
といったデメリットがあります。
実はオリーブオイルというのは、
1℃でも搾油温度が違うと、
味が全然違ってくるんですよね。
なので、コールドプレス
(低温低圧圧縮方式)で
作られた物を買う事が重要です。
④スーパー以外で購入する

スーパーに、良品質の物はありません。
オリーブオイルの専門店や、
Amazonなどで購入すると良いでしょう。
コンクールで受賞したEXVオイル

オリーブジャパンの
- 国際エキストラバージン
オリーブオイルコンテスト
という物があります。
日本で行われています。
https://olivejapan.com/
消費者視点で開催される、
世界唯一のコンテストだと
言われています。
生産者を伏せて、審査されるんですよね。

その為、非常に公平なコンテストです。
買うEXVオイルに迷った時は、
受賞した物を選ぶのも良いですね。
例えば、このオリーブオイルです。
- サブライム・アーリーハー
ベストブレンド
2016年に最優秀賞
2014年、2015年、
2017年には金賞を受賞しています。
本物のオリーブオイルを味わってみたい
という方にはオススメの品です。


私も、このオリーブオイルで
ペペロンチーノを作りました。
とても美味しかったです。
オリーブオイルの注意事項
①日陰で保存する

日の当たる場所で、
保管しないでください。
光に弱いため、劣化してしまいます。
②冷蔵庫に入れない

10℃以下になると固まり、
結晶化してしまうんですよね。
一応、温度を上げれば
戻す事は出来ます。
ただ、それを繰り返す事で、
味や香りが損なわれるのです。
冷蔵庫で保管するのは、
なるべく控えてください。
③暖かい場所で保管しない

オリーブオイルは、
10℃~15℃ぐらいが適温です。
- 火の近く
- キッチンの下 など
といった場所で保管する
のは、控えてください。
劣化して、味や風味が
損なわれてしまうからです。